香港法人 カンパニーチョップ

香港法人にて使用されるカンパニーチョップ (Company Chop)(印鑑)についてご説明します。

実際に使用されているカンパニーチョップ

呼び方は色々ありますが、英語では1を「Round Chop」、2を 「Square Chop」、3を「Common Seal」と呼んでいます。

法定要件の整理

まず、香港会社法 Company Ordinanceにて、Round Chop 並びにSquare Chopは要件とされていませんので、Common Sealは、2014年会社法改正において、法人として採用することを選択できるようになりました。しかし、香港の商習慣として必要とされますので、結局必要とされます。

尚、日本の印鑑証明書の制度がないので、取締役役会にて、印鑑を会社であることを承認する必要があります。通常は、法人設立時のFirst Board Resolutionにて承認します。

用途

それでは、どのような場合に使うのでしょうか。

Round Chopは、主に認め印で、配達があった場合に押印したりします。また、政府機関に提出する際に押印を求められる場合があります。請求書や領収書に押印する企業もありますが、これは法的要件ではありません。

Square Chopに刻印されている文字をみると、

For and on behalf of Visence Professional Services Limited (法人名)

   「 —————————————————————————-

                                                     Authorized Signator(ies) 
              (サイン権限者)

                         」

と書いてあります。

法人のサイン権限者でかたが点線(—–)の上にサインします。よって、Square Chopは契約書などに使われる事が多いです。しかし、前述の通り、法的要件ではなく香港商習慣にて必要とされるため、契約相手からSquare Chopの押印を求められた場合に、押印します。尚、香港会社法上は、「For and on behalf of (法人名)」と書いて、サインすれば、当該法人の代表者がサインしていることになり、法人として契約が締結できてしまいますので、注意が必要です。

  • Common Sealは、Deedという特殊な権利書を発行する場合に必要です。鉄製の道具の内部に会社名が刻印されていて、金色・赤色のシールと紙を締め付けることで、印字されます。Deedを発行することで、契約当事者での権利だけでなく、随伴性を維持することが可能になります(別の機会に説明いたします)

調達先

法人設立時に、印刷屋さんにグリーンボックスを作成してもらいますが、グリーンボックスの中に入っています。別途、必要でしたら、上環のMa Wah Lane にて購入できます。

銀行や金融機関

法人によっては、銀行取引において、セキュリティー上の観点から、カンパニーチョップ(Square Chop)とサインを登録し、2つの要件がないと入出金できないようにする場合があります。しかし、登録をしていなければ、カンパニーチョップは銀行取引で必要としません。しかし、金融取引でも年金(MPF)関連の届出書には、カンパニーチョップが必要とされますのでご注意ください。

カンパニーチョップについてご不明な点がありましたら、弊社までお問い合わせください。