セイシェル法人規制 国別報告 (Country by Country Report) について

経済協力開発機構(OECD)が定めた国際的な規制義務へのコミットメントを果たすために、セイシェルは国別報告(CbCR)に対応する国内法を導入しました。

2021年11月17日、セイシェル歳入委員会(SRC)は、セイシェル登録企業に対して、2021年12月10日までにアンケートに回答して詳細情報を提供するよう要請しました。

CbCRは、OECDの税源浸食と利益移転(BEPS)行動計画の行動13(移転価格文書の再検討)の一部であり、多国籍グループが税務当局に新たな年次申告書を提出すべきであるという提案から生じています。多国籍企業で収益、税引前利益、およびその他の財務情報をどのように割り当てるかについて、税務当局に可視性を提供するように設計されています。レポートには、各グループエンティティの名前とそれに関連するアクティビティも含まれます。

セイシェル法は、多国籍企業グループの一部を形成する事業体がCbCRの義務の範囲内にあることを規定しています。

a)異なる管轄区域に税務上の居住者である2つ以上の企業を含むグループ、または、ある法域に税務上の居住者であり、別の法域の恒久的施設を通じて実施される事業に関して課税対象となる企業が含まれる場合。


b)2018会計年度(およびそれ以降の会計年度)の連結グループ総収益が7億5,000万ユーロ以上の企業。 ご不明な点がありましたら、Visence Professional Services にご相談ください。

オフショア法人の活用法 パート3

オフショア法人の口座開設について

香港・シンガポールでは口座開設は比較的容易に完了します。しかし、その他のオフショア法人の銀行口座開設は非常に困難ですが、時間をかければ開設は可能です。

しかし、ここで誤解してはいけないのは、わざわざオフショア(英国領バージン諸島)に行って設立する必要はありません。香港もしくはシンガポール等の国際金融都市にある銀行にて、海外口座として開設をすることが可能です(注意 スイス、ルクセンブルク、オランダ以外のオフショアにある銀行はお勧めしません)。以下、香港もしくはシンガポールにあるHSBC、Standard Charted Bank, DBS, 等の大手銀行にて、法人口座開設を行う事を想定致します。

銀行の口座開設担当者からは、オフショア法人の口座開設を行う上で、以下2点に説明を求められます。

(1)オフショア法人の会社情報を客観的に確認できること。

(2)なぜオフショア法人を活用する必要があるのか。

(1)については、設立証明書(Certificate of Incorporation), 定款(Memorandum and Articles of Association), 株主・取締役の在籍証明書 (Certificate of Incumbency), (法人存在証明書)Certificate of Good Standingを提出するだけでは、口座開設ができないという事です。対策として、透明性を担保するため、例えば、香港にオフショア法人を外国法人(Non – Hong Kong Company) として登記することで、香港のCompanies Registryに会社情報が登記されます。また、香港域内にて税務申告をすることで、銀行担当者への説明が容易になります。

(2)については、事業毎に精査が必要ですが、例えば、BVIに知的財産権を移転することで、BVI法人を活用する理由になると思います。この点、慎重に検討する必要がありますので、ご要望があれば弊社にご相談ください。

尚、BVI法人の銀行口座がなくとも、別途香港法人やシンガポール法人があり口座開設されていれば、その法人をBVI法人の決済口座とすることが可能です(会計・税務的に問題ありません)。また、取締役個人の口座をBVI法人の銀行口座とする方もいます。

コロナ下であっても、リモートにて、日本居住がオフショア法人の法人口座にアクセスすることは可能です。是非弊社にご相談ください。

日本居住者でも活用できるオフショア法人スキーム

日本居住の方(日本法人を所有されている事を前提)がオフショア法人を活用する際、注意すべき税務ポイントは以下2つです。

一つ目は、タックスヘブン税制 (外国子会社合算税制)です。日本法人がオフショア法人の株主となり、オフショアには事業実態がない場合、実質的にオフショア法人は日本法人の一部とみなされ、オフショア法人の収益も日本法人の一部とみなされ、日本法人に課税されるという制度です。


対策として、(当該税制において認められているように) 海外子会社(オフショア法人)との資本率を20%以下に抑えることで「外国子会社」から非該当とすることです。言い返せば、海外企業とパートナーを組み、その企業に株式を81%以上保有してもらう方法です。株主間契約で上手くコントロールすることで、株式が多く保有されていても、オフショア法人をコントロールすることも理論上可能です。契約的に海外企業にパートナーとなる方法は例えば、ノミニーの様な方法など色々とありますので、弊社までご相談ください。

二つ目は消費税です。オフショア法人において、消費税が存在しないのですが、オフショア法人から日本法人に支払いする際、例えば、業務委託契約書に基づく送金するには、(日本法人の年収が1000万円の場合)消費税10%が課され、税務局にて納税する必要があります。しかし、配当にてオフショア法人から日本法人に送金することで、配当税が5%と優遇されます。

以下は、日本居住者が活用するオフショア法人スキーム です。 このようなストラクチャーにご興味がある方は是非弊社までご相談ください。

オフショア法人の活用法 パート2

オフショア法人のメリットと用途

国・地域により異なりますが、オフショア法人のメリットは以下です。
(1)税務関連。オフショア域外で得た収益について法人税並びに消費税の対象になりません。また、付加価値税や配当税が存在しません。

(2)秘匿性。株主・取締役の個人情報(パスポート番号や住所等)や資本額は開示されない国・地域があります。しかし、香港・シンガポールでは一定の情報は開示されます。

(3)会計関連。資本要件がなく(1ドルから設立可能)、増資・減資手続きが容易で、繰越損益できる期間が無限です。また、決算・監査がない国・地域があります(香港・シンガポール法人には年次監査義務があります)

(4)非居住者でも法人設立が可能で、株主・取締役が1名・1社(自然人が必要ありません)で設立が可能です。

パナマ文書事件と規制強化

2016年4月、モサック・フォンセカという法律事務所が1970年頃より保管していた、オフショア法人の口座情報や株主・取締役の機密情報がハッキングにより流出するという事件がありました。結果、多くの著名人がオフショア法人を所有していることが明るみになりました。この時、オフショア法人を活用するとこが叩かれ、印象が悪くなりました。

パナマ文書事件は多方面にて良い影響がありました。マレーシア政府機関1MDが関連する汚職事件やマネロンも、パナマ文書事件を皮切りに捜査がはじまりました。国際アンチマネロン組織FATFの働きかけにより各国の規制は強化され、共通通知規制(CRS)条約 よりオフショア法人の情報は銀行レベルで共有され、実質経済ルール(Economic Substance Rule) により(一部のビジネスは)オフショアに拠点を保有する要件が確立されました。しかし、逆を言えば、パナマ文書のお陰で、正しくオフショア法人は浄化され透明性が担保され、国際的に認められたビジネスとしてなりました。

設立方法

英国領バージン諸島(British Virgin Island)(以下、「BVI法人」)を例に、設立と口座開設までのながれを説明します。

BVI法人を設立するには、英国領バージン諸島に実際に事業所を構え、専門ライセンスをもつエージェント(「エージェント」)に設立を依頼します。そのエージェントは、香港、シンガポール等の国際金融都市に代理店があり、実際の取引はその代理店を介して行われます。弊社もエージェントと提携しています。

前述の通り、アンチ・マネロンルールや実質経済ルールが厳格化され、発注する前に、申請書(設立する理由等、創設者の住所、オフショア以外の住所、職業、資金の源泉等の情報を記載します)、パスポートコピー、住所証明等をそのエージェントに提出し、本人確認手続きが行われます。特に、BVI法人はこの手続きが厳しくなる傾向にあり、申請が拒否される場合があります。

本人確認手続きが完了すると、エージェントから請求書と伴に、議事録 (First Written Resolution)にて、法人名の決定、事務所の設定(エージェントが提供する住所)、取締役の選任、株式発行等が定められます。First Written Resolutionに調印することで、オフショア法人を購入したことになります。 購入後、グリーンボックスという印鑑、定款、法定帳簿、株券が保管されるファイルがエージェントから送られてきます。

オフショア法人を証明する書類として、設立証明書(Certificate of Incorporation), 定款(Memorandum and Articles of Association), 株主・取締役の在籍証明書 (Certificate of Incumbency), (法人存在証明書)Certificate of Good Standing があります。

尚、Economic Substance Ruleにより、2年目も設立時と同等の審査があり、年会費(設立費用の7割くらい)を納めます。しかし、前述の通り、監査・決算の義務がないため、年会費を納めるだけで、その他の年間費用はかかりません。 

オフショア法人の活用法 パート1

イーコマース・暗号通貨業の経営されている方や、海外にて合法的に資産運用を検討されている方は必見です。

新型コロナによりビジネス業態は激変し、事業形態・業界によっては、リモートでタスクが完結する時代になりました。 場所に拘らず仕事できるのであれば、ビジネス拠点を税率が低い海外に移す事もできます。また、コロナ対策追われる政府は多額の税金を投入しており今後増税するのは明確な為、効率的な資産運用するのであれば、税務対策は欠かせません。

「オフショア法人」を運用することは合法で、実際、世界各国の証券取引所において英国領バージン諸島やケイマン籍にて上場している企業は無数にありますが、なぜかネガティブなイメージがあります。本書では、オフショア法人について正しく説明することで、間違ったイメージを払拭し、合法的な税務対策や資産運用に役立て頂ければと思います。

「オンショア」と「オフショア」

「オンショア (英語 “Onshore”)」とは「沿岸の」という意味で、本書では、製造業、サービス業、自然資源輸出などの実質的経済が形成されている国を指し、(目安として)そういった国で設立された法人は20%以上の法人税が納めていると想定します。イメージとして、北米、南米、日本、中国本土、インド、EUといった大経済圏です。

オンショアの対義語に「オフショア(英語 “Offshore”)」という言葉あります。「沖合の」という意味ですが、オンショアとは異なり、実質的経済は脆弱で、(オフショア金融市場が確立される以前の経済状況です)観光業・農業漁業・港湾事業などで生計を立てている場合が多かったでようです。広義に、「オフショア」と呼ばれる国・地域は世界で300以上あります。ケイマン(Cayman Island)、英国領バージン諸島(British Virgin Island)、バミューダ(Bermuda)、セイシェル(Seychelles)のような小さな島国や、スイス、オランダ、ルクセンブルク等内陸にあるヨーロッパ諸国も該当し、パナマ (Panama)、シンガポール、香港などの港から発展した都市国家も有名です。

1960年代において、オフショア制度(後述)が導入され、域外収益無税化(オフショア域外で得た収益は無税)や法人設立の簡素化、非居住者による法人所有が認められ、オンショア諸国から資本を誘致するようになりました。多くのオフショア国家は世界有数の金融都市国家として発展を遂げ、現在でも厳しい国際金融規制の下持続的に成長をしています。

尚、上記オフショア国家には「国」以外に「地域 (英語 Territory)」や「州 (英語 State)」も含まれいます。「地域」とは、主権国もしくは連邦国に属しつつ税法や会社法を独自に制定できる自治政府が統治する地域(Territory) を指します。例として、英国領バージン諸島(British Virgin Island)のように、英国が主権国(Sovereign)ですが自治権がローカル政府に権限委譲されいるため、当該地域内にて独自のオフショア政策を制定することができます。また、デラウエア(Delaware)州(米国)やラブアン(Labuan)(マレーシア)のように連邦国家に属していますが、会社法や税法などは州独自の政策をとるができる州も、広義には「オフショア」として認識されます。(以下、「国」、「地域」および「州」を総括して「オフショア」もしくは「オフショア国家」といいます。)

オフショア法人について

本書では、オフショアにて設立された法人を「オフショア法人」と定義します。

まず、オフショア国家には独自の税法や会社法がありますので、当然ながら設立以前に、必要最低限のルールを理解する必要があります。しかし、数多くあるオフショア国家の中、個々のオフショア国家の法制度を理解するのは不可能です。 

そんな中、手がかりにあるのは、(法律学の教科書にある)法体系にて分類することです。即ち、この世界にある法制度は大きくわけて、英米法圏系(Common Wealth Jurisdiction)か大陸法圏系(Civil Jurisdiction)の2通り、どちらかに当てはめていくことで、理解を深めることができます。

ケイマン、英国領バージン諸島、バミューダ、セイシェル、シンガポール、香港は英国法の伝統を継受しているので、定款や会社書類は英語記載され、書きぶりや専門用語も統一されていることから、役会や株主総会の運営等についてある程度予知できる内容になります。シンプルに資産運用をしたいのであれば、英米法圏のオフショア法人を設立するのがベストかもしれません。

対照的に、スイス、オランダ、ルクセンブルク、パナマ(旧スペイン領)は大枠では(ヨーロッパ)大陸法圏の伝統を受け継いでいるため(日本法も大陸法圏の一部)、概念的に共通していますが、言語が英語ではなくヨーロッパ言語になるので、どうしても日本人にとってハードルが上がってしまいます。しかし、特別な理由がある場合は、その限りではありません(ユーロ圏で事業を展開するならスイス、オランダ、ルクセンブルク、船舶を扱うのであれば、パナマ)。