ディジタル新時代 (芸術編 Part II)

コロナによる経済の歪みや環境変化により、特にStay Home 分野において技術革新が加速していることは、否定する余地ができない事実であると考えますが、アートの世界においてどのような影響があるのでしょうか。

コロナ以前であれば、アート投資において、サザビーズ(Sotheby’s)やクリスティーズ(Christie’s) のようなハウスが主催するオークションに、投資家もしくはその代表が、物理的に出席してアート投資(落札)しますが、コロナ下において物理的なオークションが開催する事が難しくなっています。オークションが開催されなくとも、前回紹介したNFT化すれば、OpenSeaのようなベニューを活用することで、アート作品にはアクセスができ購入する事ができます。このような場合には、技術革新によりアート投資にも影響があります。

それでは、美術鑑賞はコロナに影響を受けているのでしょうか。ルーブル美術館のHPをみる (https://www.louvre.fr/en/online-tours)と、バーチャルの美術鑑賞を提供しています。しかし、物率的に美術館赴いて肉眼でみる絵画に比べると。いまいち物足りないというのが正直なともろです。メタバースやVRなどの技術がより技術革新することで、より質の良いバーチャル鑑賞をするためのエクスペリエンスが提供できるのかもしれません。

アートフェアにおいても、美術鑑賞と同様に、コロナ下では物理的なフェアは中止・延期されているのが多いです。前回紹介した、2021年12月に開催されたマイアミのアートバーゼル(Art Basel Miami) は無事開催されましたが、2022年5月に予定された香港アートバーゼルは延期が決定しました(https://www.artbasel.com/hong-kong)。

それではアトリエなど実際にア―ト創作する現場に変化はあるのでしょうか。サラリーマンでも、コロナの影響で、日本国内において、リモートワークで対応できる方は、コロナ感染率が低い地方に移住する方が増えています。以前よりありましたが、コロナの影響には影響していないかもしれませんが、アーティスト自身の好みやライフスタイルにより都心ではなく自然環境の良い地方や別荘地帯に移住して、アトリエを構えるかたも増えているようです。何れしても、地方移住の流れはコロナにより加速している可能性があります。

別荘エリアで有名な伊豆高原富戸は甲環境ですが、世界的に有名な白磁陶芸家の黒田 泰蔵さんがアトリエを構えられています。特に陶芸は煙を出すため、周囲が気にならない環境は必要だと考えます。地方でも、都心へのアクセスは重要な要素のようです。

ディジタル新時代 (芸術編 Part I)


NFT


2021年、NFT (Non Fungible Token)は、OpenSea(https://opensea.io/)などのマーケットプレイス(「べニュー」)により注目を集め、投資活動が活発になりました。

非代替トークンであるNFTは、デジタル元帳の(ブロックチェーン)に写真、ビデオ、オーディオ、アート等のデジタルファイル(「原資産」)を交換不可データとして保存されます。NFTには固有性があり、ブロックチェーン上の所有権証明(Certificate of Ownership)により信頼性が担保されます。暗号資産として取引されますが、ビットコインやイーサリアム等の暗号通貨とは異なる商品になります。実際に、NFTを保有することで所有権や書作権が保護されるかについて不確実です。

OpenSeasには誰でもアクセスができ、NFT登録は簡易的な本人確認のみで非常に容易で、だれでも出店することができます。既に、NFT取引は活発で、べニューによる「イタ」により「場」が形成されているため、価値を認められれば、資金調達は容易となります。 

NFTは様々な分野において活用できますが、アート投資の分野において、未だ知名度がないアーティストが作品をNFT化することで、グローバル市場にアクセスすることが可能となります。NFTにより人生が激変した方もいらっしゃると思います。

各国金融当局は、NFTに関心がありますが、現時点では、Security Token (セキュリティ・トークン)とは異なり、(Howey Testにより)「証券」に該当しないため規制対象となっていないの認識です。現在は、べニュー業者による簡易的なアンチマネロン確認のみで、取引が行われています。

ここで疑問になるのが、NFTによりアート・芸術界は影響されたのでしょうか。投資活動が活発となったのは事実で、2017年後半のICOバブルを彷彿させます。ICOバブル期に発行されたICOを淘汰されました。 全てのNFT化されたディジタルアート原資産に真の市場価値があるかは疑義があり、舶来品に目がないという感情に煽られ「ボイラールーム化」している場合があるので、注意が必要です。2021年12月米国フロリダ州マイアミビーチで開催されたArt Basel (アートバーゼル)には、多くの暗号通貨関係者が参加したいるという報道があります。

https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-12-06/art-basel-miami-beach-2021-winners-and-losers-trends-to-watch

しかし、原資産である、アートはNFT化されたかに拘わらず、価値があるのであり、NFT化することで流動性を担保しただけで、アート投資における本質的な価値はいままで通りではないかと、著者は考えます。また、NFT投資をする際、オフショア法人を活用することで(OpenSeaなどで法人登録し、フォレットも法人登録)、税務・相続対策することは、従前のアート投資仕法を踏襲するものです。